名月堂の歴史
名月堂は、昭和25年5月、折田孝平(大正12年生)により、現在より東に100mの路地奥にて創業。店名である「名月堂」の名は、孝平の海軍時代の戦友である「金子さん」に付けてもらったそう。
戦後、福井で働いていた孝平は、大地震で店が倒壊、辛くも京都に辿り着く。当時、街で偶然知り合った方から「錦市場で店を構えているから、何でも売ってあげるよ。」と仰って頂き、 卸(おろし)を始めることになり、製造元から商品を受け配達して生計を立てていました。しかし半年後、製造元が移転され、商品の仕入れが滞ることに。そこで急遽、富山から母を呼び二人で菓子を製造することに。しかし和菓子造りは全くの素人の孝平、餅の皮とあんこがぐちゃぐちゃになった物が山盛りできてしまったのです。その「でき損ない」を何とか製品にできないかと「八つ橋」にヒントを得、ニッキ粉を混ぜ入れることに。そうして『ニッキ餅』の原型ができあがりました。
銘菓ニッキ餅
その後、昭和54年、老舗和菓子店で修行した孝一(二代目店主)が、現在の敷地に店舗を構える。当初ニッキ餅製造は孝平が担ってたが、平成20年ころ体力的に限界を感じ、息子である孝一に製造が託される。孝平の指導で製造を引き継いだ孝一は、時代のニーズ「ふわぁ、トロッ」を求めて研鑽し、現在の『ニッキ餅』の、あのとろける食感を造り出すことに成功する。 当時、松下幸之助氏御用達であったこともあり、雑誌やテレビで話題になり、全国的に知名度を上げることに。
ニッキ餅の味わいのバリエーションとして抹茶、黒糖、冬季限定の「京雪路」白みそ、 酒粕も人気商品です。最近では、洋風の生キャラメル、ブルーペリーを取り入れた斬新な商品も店頭に並ぶことがあります。是非一度ご賞味下さい。